ロレックスの定番モデル、サブマリーナ。ロレックスの購入を考える人は必ずと言っていいほど候補に入るモデルだと思います。発売開始が1953年とずいぶん長い歴史を誇ります。そして現在までそのデザインはほとんど変わっていません。中古品を選ぶなら当然、種類は多くなってきます。
サブマリーナは中古品も魅力的
左が1959年に発売したサブマリーナ Ref.5512です。50年以上前の腕時計です。
そして右は現在ロレックスで現行モデルとして販売されているサブマリーナ Ref.114060です。
どうですか?ほとんど変わっていませんよね?私もこの事実を知った時に衝撃を受けました。こんなにも形を変えない製品が存在するんだと。
この二つの間にあるモデルたちも一緒です。ほとんどデザインは変わりません。最初から完成されたデザイン。これこそがサブマリーナの魅力です。
サブマリーナは人と被る?
正直言うと、サブマリーナはめちゃくちゃ被ります。何十年も同じ腕時計を売って、しかも人気があるんですから。芸能人や俳優、トップアーティストもサブマリーナを愛用しています。電車に乗っていてもかなりの割合でビジネスマンが着けてますよね。
しかし、同じサブマリーナでも、古いモデルから現在のモデルまでを見ていくといろいろと違いがあるんです。安いモデルはありませんが、ちょっとしたディテールでとんでもない値段が付いているものもあります。
この記事を読み続けてこだわりのサブマリーナを見つけてみませんか?
それではノンデイトの古いモデルから中古品の相場も含めて見ていきましょう。
サブマリーナ ノンデイトモデル
サブマリーナの中でも日付表示のないタイプがノンデイト。現行モデルではデイト付きと10万円ほどの価格差があります。
デイト付きと比べて大きなサイクロップレンズが風防についていないことからよりスマートに見えるサブマリーナです。
このモデルは1953年に発売されてからこれまでブラッシュアップを繰り返しながら一貫して同じデザインでこれまで来ています。
Ref.5512
製造期間:1959年~1977年
サブマリーナの現在の形を作ったモデル。この5512からリューズガードが付き、海中での誤動作や破損を防ぐことができるようになりました。このモデルまで試行錯誤していたサブマリーナーでしたが、この5512は製造期間の長さから完成度の高さがうかがえます。クロノメーター仕様のキャリバーを搭載。文字盤はヴィンテージ特有のフチなし。5512はロレックスのオーバーホールで文字盤を交換されてもフチなしの文字盤になります。
相場:150万円~
Ref.5513
製造期間:1964年~1985年
5512の廉価版としてリリースされた5513。違いはクロノメーター仕様かノンクロノメーター仕様かの違いしかないため、ケースや裏蓋が代用されていることもあります。クロノメーター仕様ではないため、5512の文字盤よりも表記がシンプルなのが特徴。このモデルも長きにわたって製造されたので文字盤にもいろいろなバリエーションがありますが、このフチなし文字盤がヴィンテージ感があり人気です。後期のモデルにはフチの付いたフチあり文字盤もありますが、こちらのほうがリーズナブルに購入出来ます。
相場:110万円~
こんもりと盛り上がったドーム風防
この頃の年代のモデルは風防にプラスチックを用いることが一般的でした。現在のクリスタル風防よりも強度に劣るため、画像のようにドーム型に切削しているのが特徴的です。角度によっては視認性が良くありませんが、ヴィンテージ感が非常に強く出るので現行モデルとは違った魅力があります。
Ref.14060
製造期間:1989年~2000年
精度に磨きをかけたCal.3000を搭載したモデル。振動数を2万8000振動/時まで増やし、精度を高めています。この辺りのモデルになると、現行品に近い精度と耐衝撃性が備わっています。文字盤はフチありの装飾を施し、より一般ユーザーに受け入れられるデザインになっています。また、防水性能も300mまで引き上げられました。また、このモデルからステンレススチールは904Lというロレックス独自のステンレスを使用しています。
現在相場の最も安いサブマリーナになります。が、最近ではセミヴィンテージモデルとして見られており、今後は価格が上昇していくと思われます。
相場:70万円~
Ref.14060M
製造期間:2000年~2010年
Ref.14060と見た目の変更点はありませんが、キャリバーがより耐久性を上げたCal3130に変更されています。メンテナンスのしやすさも向上させているようです。2006年以降の個体は偽造防止のクラウンマークが風貌にレーザーマークされています。クロノメーター仕様個体が多いのも特徴です。
相場:75万円~
Ref.114060
製造期間:2012年~
大きく進化した現行型のサブマリーナノンデイト。耐傷性に優れたセラミックベゼルを搭載したモデルです。ヴィンテージモデルはベゼルの色が退色してあるものがありますが、現行もセラミックを使用しているため退色はおこらないようです。
ケースラグも太くなり、よりタフなダイバーズウォッチとなりました。デイトモデルが2020年にモデルチェンジ予想の為、新型が出るのは2022年です。どのように変化するかは分かりませんが、現行モデルが良いなら今が最後の買いのチャンスだと思います。
実物を見ればこれまでのサブマリーナから完成度を大きく上げているのがわかるはずです。
もしも正規店で購入することを考えている場合は、かなりの根気が必要です。正規店でサブマリーナを求めてロレックスマラソン(毎日通い続ける)をする人もいるほどです。
相場:90万円~
サブマリーナ デイトモデル
プロフェッショナルから一般ユーザーまでが楽しめるように発展したのが、日付表示機能を備えたサブマリーナ デイトです。現在サブマリーナを所持している方で実際にダイビングに使うために、購入した人はあまりいないんじゃないでしょうか?
サブマリーナを一般ユーザーにも受け入れられる発端となったのがこのデイト付きモデルです。ビジネスマンにも受け入れられるようになったのもこのモデルの登場からだと思います。
Ref.1680
製造期間:1965年~1980年
サブマリーナに初めて日付表示の入った記念すべきモデルです。有名なレアモデルであるモデルロゴの「SUBMARINER」の表記が赤い赤サブもこの1680の初期生産分の中にあります。
赤サブでなくとも、ヴィンテージ感の強いこの初代サブマリーナデイトは中古市場においても非常に人気の高いモデルです。ヴィンテージサブマリーナの購入をお考えの場合はまず検討したいモデルですね。
相場:130万円~
Ref.16800
製造期間:1980年~1986年
ロレックスの時計製造の転換期に造られたモデルとして、それまでのモデルから一層スペックアップして登場した16800。ムーブメントは、Cal.1570(毎時19800振動)からハイビート仕様のCal.3035(毎時28800振動)へ変更することで高い精度を実現しています。
また、クイックチェンジ(日付の早送り)機能が搭載されており、操作性も飛躍的に向上しました。風防はプラスチックからアクリルガラスへ変更し、防水性能も200mから300mまで引き上げられています。
初期生産分には、ヴィンテージサブマリーナの代名詞であるフチなしダイヤルを搭載したものも見受けられます。現段階の中古市場では比較的お安い部類に入りますが、製造期間も6年間と短いため、今後の資産価値が楽しみなモデルです。
相場:90万円~
Ref.16610
製造期間:1989年~2010年
約20年にわたり高い機能性を誇る実用時計として確固たる人気を築き上げた16610。デザイン面での変更点はほとんどありませんが、より安定感の高いCal.3135を搭載するなど、前作から確実なブラッシュアップを受けています。
ブレスレットやケース、夜光塗料の変更など様々なマイナーチェンジが行われ、実用性や耐久性が向上。さらに風防6時位置の王冠の透かし(2003年)やインナーリングへのルーレット刻印(2007年)などの偽造防止策も施されました。
文字盤も塗料の種類や時期によって6時位置の表記が「SWISS-T<25」、「SWISS」、「SWISS MADE」の3タイプが確認されています。現行型のサブマリーナーはケースとブレスレットがゴツくなってしまったので、シャープなイメージのサブマリーナがお好みならこのモデルが最適でしょう。
相場:80万円~
Ref.116610LN サブマリーナデイト
製造期間:2010年~
2010年から製造されている現行型サブマリーナ。最新のロレックスが最良のロレックスという言葉があるように、この116610は前モデルから大幅な進化を遂げました。
まずはブレスレット。無垢のリンクパーツが使われ、大幅に堅牢性がアップ。ケースもラグ幅が太くなりよりタフな仕様に。ムーブメントには独自開発されたブルーパラクロムヒゲゼンマイの採用で耐磁性・耐衝撃性が向上。ベゼルにはプラチナ特殊コーティングが施され耐蝕性と、耐傷性に優れたセラミックベゼルを搭載しています。このベゼルは今後もどんなに年月が経とうと退色することがありません。また、発光時間がルミノバ夜光塗料の約2倍(8時間)という長さのクロマライトを採用するなどサブマリーナはダイバーズウォッチとして大きく前進しました。
2020年がモデルチェンジ時期ですが、大幅にリニューアルされただけに新型のサブマリーナはムーブメントの変更など軽微なマイナーチェンジに留まるのではないでしょうか?
相場:120万円~
変わり種のサブマリーナ
最もスタンダードなサブマリーナの歴代モデルを紹介してきましたが、サブマリーナにはスタンダードなブラックのモデルとは一線を画すモデルもあるんです。人と違うものが欲しい方へにはうってつけだと思います。
Ref.116610LV グリーンサブ
製造期間:2010年~
サブマリーナ生誕50周年を記念して作られたモデルの後継機種にあたる116610LV。文字盤とベゼルにロレックスのコーポレートカラーのグリーンを採用しています。グリーンという腕時計には奇抜すぎるカラーに見えますが、実物を見ればその高級感に驚かされます。
人気も高いため、正規店での購入が困難なモデルのうちの一つです。次にサブマリーナがモデルチェンジを受けて廃盤(ディスコン)になれば、市場価値も一気に高騰するでしょう。
相場:150万円~
Ref.116619LB ブルーサブ
製造期間:2008年~
通称青サブ。ただ青いだけではありません。高級素材の18Kホワイトゴールドを使用したモデルになります。そのため、通常のステンレスのサブマリーナに比べると価格も倍以上します。
そしてその重量は約229g。通常のサブマリーナーが約150gなのでズシっとくる重みがあります。予算に余裕があれば、人と被ることもほとんどないので狙ってみたいモデルです。
相場:300万円~
Ref.1680 赤サブ
製造期間:1965年~1980年
通常の1680は1980年まで製造が続きますが、この赤サブは初期生産のごく少量に造られたと言われています。その名の通りサブマリーナのモデル表記が赤で書かれているのが特徴で、ヴィンテージロレックスの中でも特に人気の高いモデルです。
相場:250万円~
COMEX SUBMARINER
最後は激レアモデルを。ロレックスの深海への挑戦は、フランスの潜水専門会社「COMEX(コメックス)」とともに開発が進められてきました。そのコメックスと共同開発したのがサブマリーナの上位機種にあたるシードゥエラーですが、このコメックス社のためにロレックスが腕時計を供給していたのをご存知ですか?それがこのコメックスのロゴが特別に入ったものになります。このモデルは一般には販売されていないため、現在市場に流通しているものはコメックス社に所属していた社員が流したものしかありません。裏蓋には固有のシリアルナンバーが入っています。もちろん価格も超高額で、1300万円代からと、中古市場で購入できるロレックスウォッチとしてはかなり高額な部類に入ります。
相場:1300万円~
ロレックス サブマリーナに中古も新品も関係ない
長い歴史がある分、沢山の種類のあるサブマリーナ。どのモデルを選んでも後悔はしないと思います。アクティブに使いたいなら現行モデルに近い新しいモデルを選べばいいですし、ヴィンテージの雰囲気を楽しみたいなら古いモデルを選べばいいと思います。
やはり黒文字盤に黒ベゼルはどんなシーンでも合いますし、最近では女性も着けているのを見かけます。ボロボロになってもそれが様になる腕時計は実用時計を称するロレックスだからこそ。元々ロレックスは100年は使えるように作られています。中古のモデルを選んでもまだまだあなたと過ごす時間は残されているでしょう。
ダイバーズウォッチの原点であり最高峰のサブマリーナ。ぜひお気に入りを見つけてください。