ロレックス社が取得した特許から見る「未来の腕時計」

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ロレックスの新作予想記事ですが、今回は、ロレックスSAの近年取得した特許から、そのうち出るであろう未来のロレックスを予想してみます。

ロレックスだけでなく、何か商品を世に出す場合、ほとんどの大企業は自社の利益を守るために「特許」を取得します。特許を元に予測していくので、ここで紹介するものは近い将来必ず世に出てきます。

ロレックスが取得する特許

ロレックスSAが取得している特許は、知財ポータルサイトIP Forceから見ることができます。これはあくまで、日本国特許庁に出された特許技術です。

ロレックスが出願して取得している特許技術は多岐にわたります。時計の機構だけでなく、例えば、最近力を入れているエバーローズゴールド(合金)の物質の含有割合のものであったり、時計の動作の測定方法などがあります。

IP Forceでは2012年からの特許技術を見ることができます。最近は毎年10件~15件ほど特許を出願しているみたいですね。
興味がある方はぜひ見てみてください。

IP Force - 知財ポータルサイト
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既存のロレックスウォッチに使われている特許技術は

通常は商品化の前に特許を取得して、製品化~という流れになります。ロレックスでもそうですね。

ムーブメントの機構に関することや夜光材料、ひげゼンマイに関することは随時新技術が確立されれば、特許を出願、人知れずロレックスの現行モデルに落とし込む・・・。という作業がなされているようです。そういったところはフルモデルチェンジしたとき(ムーブメントが新しくなったとか)くらいしかロレックスは発表しませんよね。

ちなみに2017年に「向きを記憶する竜頭を備えた時計ケース」という特許が出されています。クラウンマークが竜頭をしめたときに、きちんと上向きになるための技術です。

私も最近ロレックスをまたあらたに購入しましたが、どうやらこの技術はすでに商品に落とし込まれているようです。

また、プロフェッショナルモデルの回転ベゼルの組み方、固定方法などは最近は特に多く、特許が出願されています。基本的には既存のモデルに対する特許出願が多い印象です。

未来の腕時計のための特許

既存モデルのアップデートのための特許技術申請が多いのですが、中には全く見たことのないものもあります。

今回はそういう出願されている特許を元に、未来のロレックスの腕時計を想像してみたいとおみます。

ロレックスの特許その①フライバッククロノグラフ

これはIWCのポルトギーゼ・ヨットクラブ・クロノグラフです。12時位置に60分と12時間の同軸積算計を持つ、フライバッククロノグラフを搭載しています。

ロレックスもこれと同じような文字盤デザインで、フライバッククロノグラフの特許を出願しています。ちなみにロレックスのフライバッククロノは24時間の同軸積算計です。

出願された特許には、文字盤の図面もありましたので、これに近いデザインのロレックスが登場するのはいつになるかわかりませんが、間違いなく出てきます。

ロレックスの特許その②インターチェンジャブルブレスレット

これは世界三大時計ブランドの一つ、ヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズです。このモデルは、ベルトを簡単に交換できるインターチェンジャブルブレスレットという機能があり、気分によってベルトを交換できます。

ロレックスの特許技術のなかに、これと同じような「ベルト固定システム」の特許がありました。

まさにオーヴァーシーズと同じように中間のリンクが取り外せるような機構でした。

オイスターケースも100周年ですし、そろそろこのような気候のモデルが登場してもおかしくありません。というか、出ます。特許出してるくらいですから。

ロレックスの特許その③原子時計

みなさん、原子時計というのはご存じでしょうか?原子や分子が持つ固有の周波数を利用して時間を測定する、非常に精度の高い時計のことなんで、現在の1秒の定義にもなっています。

原子時計にはいくつかの種類がありますが、イメージとしてはこんな感じです。時計というよりも装置ですね。ちなみに精度としては数千年に1秒程度の誤差です。イメージわきませんね。

では、最新のロレックスであるランドドゥエラーを比較対象にして考えてみましょう。ランドドゥエラーのムーブメントは最新技術が盛り込まれたCal.7135。このムーブメントはロレックス初の高振動キャリバーであり、周波数は5Hzです。他のモデルは4Hz。

この周波数が高くなるほど、時計としては正確に時を刻むことになります。

原子時計は?

9000000000000Hzです。

つまりランドドゥエラーの1800000000000倍正確に1秒を刻みます。

すでに商品化されているものとして、2014年にクラウドファンディングにてザ・セシウム133というものが出ています。めちゃくちゃデカいです。リストバンド見たい。

ロレックスがもし原子時計を作ったなら、こうはならないはずです。かなり小さく回路を工夫してくるはず。

2016年に登録された特許にはハッキリと「原子発振器を備えた腕時計」と発明の名称が書かれています。説明の中には、過酷な状況下で「160年ごとに1秒だけ変化」とあります。

周波数を落として、消費電力等を抑え、小型化に成功しているようです。ちなみに回路はボックス型だったので、腕時計に搭載したら厚みはけっこう出るんじゃないかと思います。

それでも160年に1秒ですから、「一生のうちに1秒ズレない」というキャッチフレーズは強力です。

ロレックス社が取得した特許から見る「未来の腕時計」

それにしてもロレックスの特許を見るのは面白いです。

久しぶりに数日掛けて図面や説明を読みました。研究系の仕事はかなり面白そうです。

個人的には、原子時計に非常に興味があります。機械式のイメージの強いロレックスが、この「原子発振器を備えた腕時計」を発表できれば、世界はひっくり返ります。

日本の特許庁に出願している特許が事実としてあるので、ここで紹介したものは今後、必ず出てくると言っても過言ではありません。

たまにはこういう角度から、ロレックスを見てみるのも面白いと思いました。