「年収に相応な腕時計」というお題で書かれてある記事ってけっこうありますよね。「年収に相応な車」みたいな感じの記事です。これがけっこう面白くて、なるほどな~と思うこともしばしば。ということで、私も書いてみました。
しかし、現在の高級腕時計業界は素材的に最も安価な”ステンレススチール”の腕時計が人気で価格が上がっているため、一概に年収と時計の価格だけでは測れない部分が出てきてるのかなと思います。
有名ブランドの有名なモデルならステンレススチールの腕時計が、1000万円以上するものもあります。
また、高級腕時計のお値段が正規店でも並行店でも上がりすぎているので、投資と考えて購入している人もかなりいます。
そこで今回は違う角度から「年収と腕時計の価格の関係」を記事にしていきたいと思います。
年収と腕時計にかける予算
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誰が言い出したのかは分かりませんが、腕時計にかける予算は、年収の20パーセントだとか30パーセントだとか言われています。ここでは間を取って25パーセントくらいの価格ということで、考えて見ると。
例えば、以下のようになります。
年収300万円→75万円
年収400万円→100万円
年収500万円→125万円
年収600万円→150万円
年収700万円→175万円
年収800万円→200万円
年収900万円→225万円
年収1000万円→250万円
ここで思うんですが、年収300万の人にとって75万の腕時計を買うのはけっこうキツイでしょ!ということ。いや、絶対にきつい。私も年収300万のころに75万の時計を買おうなんて思ったことありません。
10年くらい毎月お金を貯めてたら話は別ですが。
逆に年収1000万の人からしたら250万ってまあ、買えるよねと思うんですが。
500~600くらいのところはこんなものかなぁ~と納得してしまうんですが。
まあ、腕時計は趣味ですし、購入してしまえばよほど複雑な機構の機械式でない限り、メンテナンス、オーバーホール料金はさほど変わりません。
だから、一概にパーセンテージでくくるのはおかしいと思います。
腕時計の市場相場は上がり続けている
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年収の%説がしっくりこないのはこれも理由です。とにかく時計の価格が高い。
例えばみんなのあこがれ”ロレックス デイトナ”。15年くらい前は100万円くらいでステンレススチールのモデルが新品で購入出来てました。
しかし、今は?並行輸入店では、
新品価格500万円くらいします!!
デイトナ自体は新型になってきてますが、大きく変わってるわけじゃありません。コンセプトも何もかも。
変わってるのは相場です。
それが15年前まで年収400万円で買えてたモデルは、今じゃ年収1000万円あっても買えないことになってます。やっぱりなんかしっくりこないんですよね。
その他のブランドについても価格は軒並み上がっているので、同じことが言えます。
ロレックス GMTマスター2なんかは15年前まで30万円くらいしかしませんでしたよ。
今は当時の価格の7倍近く高くなってます。
高級腕時計の購入は浪費ではない
高級腕時計を買うということは、ブランドやモデルにもよりますが、単純な浪費にはなりません。
車の様に使い続けると、そのうちに価値がゼロになるものではなく、ものによっては購入時よりも高い金額で売却できることもあります。
もちろん使い続けて傷が入っていてもです。
身に着けるものなので、なくしたり落として壊したりするリスクはありますが、価値が落ちないので、投資や貯蓄と観ることができます。
貯金通帳に載る数字でお金を持つか、毎日着けられる相棒としてお金を持つかの違いです。
特にロレックスやパテックフィリップなど、世界的に人気の腕時計であれば、投資にもなる。これなら年収がこれくらいだからこの価格くらいで・・・とかは考えなくても良いんじゃないかと思います。
価格以外の基準は何にすればいい?
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高級腕時計を買うときにはとりあえず、価格に関係なく気に入ったものがもちろん一番いいとは思います。
しかし、高級ブランドウォッチの購入を考えている人にとって、腕時計はただ単に”時間を確認する”ためだけの道具以上のものになっています。
それから、仕事の取引でも相手の時計だけで考えることはありませんが、多少はやっぱり見ちゃいますよね。
自分の立場や職種、年齢なんかも考えて選べるといいのではないでしょうか。
「年収と時計の価格」で考えるのも一つありだと思いますが、その他のことで選ぶには何を基準にすればいいのでしょうか。
その① 機能(機構)と年収で選ぶ
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一つ目、機能(機構)で選んでみるのはどうでしょうか?
機械式腕時計の機能には、時間を見るだけでなくいろいろとあります。
時間を見るだけならシンプルな3針、秒針のない2針、秒針が別にあるものもあります。
日付表示付き、回転ベゼル、帯磁性、クロノグラフ、マニュアルカレンダー、ミニッツリピーターなど、機能が多機能になるほど高額になります。
そして何より、機能が複雑になればなるほど、増えるほど、オーバーホールにかかる金額も高くなってきます。
例えば、
年収300~500万円→3針でシンプル、日付表示付き、シンプルなダイバーズ
年収600~800万円→クロノグラフ、マニュアルカレンダー、GMT機能等
年収900万円以上→複雑機構
3針モデルなど、シンプルな腕時計になればそれだけメンテナンスも簡単です。
オーバーホールも安く済みます。機能で選んでみるのも面白いですね。
ロレックスでいえば、最もシンプルなエクスプローラー1やオイスターパーペチュアルなどの3針モデルはオーバーホールの基本料金は6万円程度、クロノグラフ機能の付いたデイトナが8万円程度、最も複雑な機構を有するスカイドゥエラーが13万円程度になります。
維持費は3針モデルで、4,5年使ってオーバーホール出すとすれば、月ワンコイン(500円)くらいになります。
もちろん正規のメーカーにオーバーホールを頼まずに修理会社などに出せば多少は節約できますが、それでも多機能モデルになれば高いですし、複雑モデルになればやっぱり正規店でお願いしたいですよね。
そうなると機能と収入でモデルを選ぶのも、あながち間違いではないと思います。
余談ですが、オメガの人気モデル、スピードマスター。
私も大好きなスピマスなんですが、中古で20万円以下のものもあります。オッと飛びつくと痛い目をみることも。オーバーホール代が時計の金額を超えてしまうなんてこともあるので、機械式はスピマス一本に絞るとかしないとなかなか手持ちには出来ないな~と思ってます。
素材と年収で選ぶ
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素材で選ぶという選択肢もあります。
最も安価なのはステンレススチール。丈夫です。超高級時計で有名な世界の御三家、パテック・フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタン、オーデマ・ピゲも入門モデルやスポーツモデルにはステンレススチールを使用しています。
実用ウォッチといわれるロレックスは、メインになるスポーツモデルの多くがステンレススチール製です。
他に貴金属のモデルでいえば、ゴールド(イエロー、ホワイト、ローズ)、プラチナなどがありますね。
非常に軽量なチタンを使ったものも最近では増えています。異種素材の組合せで有名なウブロ、クストスなんかは最新素材を組み合わせて時計を作っています。
また、シャネルのようにセラミックをメイン素材として腕時計も登場しています。。
金属別に特徴を見ていくと、
ステンレススチール:最も頑丈、安価、金属としての価値はない
チタン:軽量、価格はステンレススチールの1.5倍くらい?(めちゃアバウトです)
ゴールド、プラチナ:金属として価値がある、柔らかいため傷が付きやすい、重い!!
特徴からみればやはりある程度収入がないと、貴金属のモデルは持てませんね。
一本豪華主義も嫌いではありませんが、プラチナなどの貴金属の腕時計はそれ一本を普段使いしていくのは難しそうです。
傷が入りやすいので、できれば複数本か日常使いのステンレススチール製の一本が欲しいです。
ブランドと年収で選ぶ
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スイスの高級腕時計界でもランク(立ち位置)があります。例えばロレックスなら万人や労働者階級向け、ウブロやフランクミュラー、パネライは新興ブランドでマニア向け、ヴァシュロンコンスタンタン、オーデマ・ピゲはピゲは格式高い、パテック・フィリップは最高峰のブランドで富裕層向けなどです。
やはり、ある程度年齢を重ね、仕事でも役職があったりすれば格式の高いブランドを選びたいですね。
パテック・フィリップなんかは著名人の方でもある程度歳を重ねてから手に入れてるようです。
歌手で俳優の福山雅治さんなんかは、40代に入ってからパテック・フィリップ買いまくりです。
年収と腕時計の価格の話 まとめ
結局どう買うかなんてあなた次第です。気に入ったものが一番。
これいうと元も子もないんですが。
とりあえず抑えておくこととして、オーバーホールにどのくらいかかるかは把握しておいた方がいいです。パッテク・フィリップなんかは中古品である程度古いモデルになると、オーバーホールだけで高級腕時計一本分くらいかかります。
それから、好きな芸能人や著名人と同じモデルを選ぶというのもありですね。
それではみなさまが、最高の一本に出会えることをお祈りいたします。