2015年4月、Apple社のアップルウォッチの登場により、腕時計の選択肢が2分化されました。
普通の腕時計を着けるのか、Apple Watchを着けるのか。
2018年、世界一位に君臨していた普通の腕時計であるロレックスを置き去りにして、総売り上げでアップルウォッチが1位になりました。2019年にはこの年のスイスの時計産業で作られた腕時計の総数を上回る数のアップルウォッチが生産されました。
この記事では、Apple Watchを代表するスマートウォッチと普通の腕時計はどちらがいいのかを考えていきます。
アップルウォッチについて

もはや知らない人はいないアップルウォッチ。商業製品のジャンルとしては腕時計型ウェアラブルコンピュータです。スマートフォンシェアNo.1のiPhoneとセットで使えるところもこの商品が強いところです。一度アップルウォッチを手にするとなかなか手放せないというのも、アップルウォッチが売れ続けている理由です。
iPhoneを使っていればわかると思いますが、3年、4年も使っていればバッテリーが弱ったりしてくるのはわかりますよね?アップルウォッチにももちろんバッテリーの寿命があります。毎日使い続ければ、スマートフォンのようにバッテリーが弱るので、買い替えが必要なことも売れる理由だと思います。
最新のApple Watch 定番Seriesが価格は6万5千円ほど。
他にも廉価版のSEが4万円弱から、強靭な49mmのチタニウムケースを持つ、Apple Watch Ultra 2が13万円ほどからです。
Apple社の公式サイトでは、エルメスとナイキのコラボモデルも常時ラインナップしており、スポーツにもオフィスにも使えるラインナップになっています。
アップルウォッチにできること
・時刻の確認
・ストップウォッチ
・タイマー
・iPhoneの通知を確認
・iPhoneの音を鳴らす
・LINEのメッセージの確認・返信
・電話を掛ける・電話に応答する
・音楽を聴く
・再生している音楽・動画のコントロール
・Siriが使える
・登録したSuicaで改札を通過できる
・活動量測定機能
・防水機能(50m)
・文字盤カスタマイズの種類が豊富
・緊急時には緊急連絡先へ自動的に連絡が行く
最新のウェアラブルデバイスにはこれだけのことができます。もはや計時がメインの商品ではありません。ビジネスに、スポーツに、多くの機能が付いています。
腕に簡易版のスマホを着けて歩くような感じでしょうか。
文字盤のカスタマイズも簡単にできますし、バンドも簡単に取り換えられるので、気分に合わせてカスタマイズできるオシャレさも兼ね備えています。

これだけ見ると、すべての人が使ってもいいものなのかもしれません。私もですが、腕時計好きでロレックスなどの高級機械式時計を持っている方は、ほとんどの方がアップルウォッチを持っていると思います。
なんせお値段もロレックスと比べても20分の1なので、ついでに買っちゃいます。普通に考えると高いんですけどね。
アップルウォッチのデメリット
・毎日充電する必要がある(駆動時間18時間)
・通知機能に縛られる
・寿命は約4年
アップルウォッチにできること、メリットは非常に大きなものがありますが、デメリットもけっこう大きいです。
特に充電問題と、電子機器であるがゆえにバッテリーの寿命がくるのはかなり痛いところです。
機械式をメインに使っているものから言わせてもらうと、充電を毎日するのは本当に煩わしいです。これのおかげでランニングをする時や登山をするときにしか私はアップルウォッチを使いません。
寿命が4年というのはバッテリーから来ています。公式サイトの見解によると、2年で電池の容量が85%以下になるということ。そうすると、計算上4年経てば半分くらいの容量に、またリチウムイオンバッテリーは劣化しだすと早いです。
iPhoneのバッテリー劣化を経験したことは誰でもあると思いますが、数年経てばとてもじゃないですが、1日メインで使うことはできません。ちなみにバッテリー交換は8800円です。
普通の腕時計について
ここではスマートウォッチ(アップルウォッチ)の対比として、機械式腕時計ということにしておきましょう。高級ブランドの時計のほとんどが機械式ですし、電池を使わないということで。
機械式腕時計の魅力は、充電の必要はありませんし、定期的にメンテナンスをすれば、何十年でも使えるということです。人生に寄り添う存在となります。
普通の機械式腕時計にできること
・時刻の確認
・モデルによってストップウォッチやカレンダー、他のタイムゾーン
・モデルによって防水性
・自動巻きのモデルなら何もしないで毎日使える
メインの用途は時刻を確認するということ。当たり前ですね。腕時計ですから。
他にはモデルによって、クロノグラフ機能が付いていた、日付表示があったりします。しかし、複雑な機構のモデルでもその機能を使うことはあまりないかと。壊れたら嫌ですもん。ダイバーズウォッチの回転ベゼルを回して時間を計るくらいはあるかもしれません。
ロレックス デイトナは最も有名なクロノグラフですが、クロノグラフ機能を頻繁につかうという方はほとんどいないと思います。
他の機械式腕時計でも同じことが言えます。基本的には時刻を確認する、ルックスを楽しむというのが普段の使い方になります。
普通の機械式腕時計のデメリット
・モデルによるが、初期投資が高額なことも
・5年~10年に一回高額費用のオーバーホール(3万円~15万円)
・精度が悪い
ロレックスなどの高級ブランドのものになると高い買い物になるので、初めて購入するのに勇気がいります。高額ですからね。時間はスマートフォンでも確認できます。しかし、ブランド、モデルによってはリセールバリューが高いので、浪費にはなりません。時間が経つことで、市場価値が上がり、投資になるものもあります。
機械式腕時計を使い続けるうえで避けて通れないのは、オーバーホールです。車の車検みたいなもので、時計を分解清掃します。これを怠ると、内部の部品が壊れたりして動かなくなった時の修理費が高くなってしまいます。ブランドによりますが、1回3万円~15万円くらい。ロレックスなら7万円くらいです。高いと感じるかもしれませんが月の換算でいうと500円~1000円くらいです。
あと、もちろん時間は狂います。時間がずれない機械式腕時計はありません。
アップルウォッチと普通の機械式腕時計の違いは?
アップルウォッチは多くのことがこなせますが、毎日の充電が面倒くさいのと、同じ個体を永く使っていくことはできません。
時計というよりも、腕に着けるスマホと考える方がいいでしょう。また、古くなれば使えないでしょうし、5年もすれば価値はほぼ0になります。
機械式腕時計は多くの機能はありません。メインは時間を確認するということです。充電する必要がないのでオーバーホール期間以外は快適に過ごすことができると思います。なんの連絡も来ないので。永く身に着けて、使っていきたいなら機械式腕時計です。
アップルウォッチと機械式腕時計の維持費は同じくらい

意外かもしれませんが本当です。アップルウォッチを4年に1回買い替えれば、交換ベルトと合わせて6、7万円くらいかかるでしょう。
高級機械式腕時計も5年に一回オーバーホールをすれば平均6万円ほどかかります。
初期投資のちがいこそありますが、維持費に関してはあまり変わりはありません。
アップルウォッチ OR 普通の腕時計

本来であれば、アップルウォッチのようなウェアラブルデバイスと機械式腕時計は商品としての用途、意味が全く違うので、比べるものではないと思います。アップルウォッチが出始めの頃、ブライトリングやタグホイヤー、ウブロなどの有名メーカーも同じようなスマートウォッチに手を出しましたが、下火になりつつある現状からもそれがわかると思います。とはいえスイスの時計産業は順調です。
それぞれの用途でどちらも持っていてもいいし、どちらか片方でもいいと思います。
ただ一つ言えるのは、アップルウォッチは使い捨て、機械式腕時計は一生ものです。

