高級腕時計の維持費ってどのくらいかかるのか?ブランド別に見て行きたいと思います。誰もが一本は持ちたい高級腕時計。買うときの値段も気になると思いますが、維持費も気になるところ。この記事では高級腕時計の維持費を紹介してい行きたいと思います。
高級腕時計の維持費にはどんな費用が発生する?
一般的に高級腕時計とは機械式腕時計です。中には電池で動くクォーツ式のものもありますが、そのほとんどが機械式と言ってもいいでしょう。機械式の腕時計を永く使うなら、メンテナンスがかかせません。分解して部品をすべて洗浄し、組み立てながら注油を行う作業をオーバーホールと言います。
車で言う車検みたいなものですね。しかし、腕時計に法的な点検義務はありませんから、そのタイミングは自分で選ぶことができます。使用頻度によってもオーバーホールをするタイミングは変わってきますね。
ちなみにクォーツ式でも電池交換のみでなく、オーバーホールは必要です。この場合は内部の機械を新しいものにまるごと取り換えてしまうメーカーも多いようです。
他にはどんなものにお金がかかると思いますか?
時計を綺麗に保つためには外側のことも気にしなくてはなりません。オーバーホールと同時にケースやブレスレットを研磨して傷を消す作業があります。一般的に仕上げ作業とか言いますね。これはメーカーによりますが、お願いすれば追加料金が発生します。
また、高級腕時計に多く使用されている革ベルトやラバーベルト。これは消耗品で、使用頻度が多ければ、1~2年で交換が必要になってきます。金属のベルトでも何十年も使えば伸びや切れたりすることもあります。
まとめると以下のようになります。
高級腕時計の維持に必要なコト
・オーバーホール
・研磨作業(仕上げ作業)
・ベルトの交換
高級腕時計維持のためのオーバーホールの金額は?
オーバーホールはメーカーで行う場合と、時計修理業者でおこなう2通りがあります。
また、ブランドや機構によっても大きく金額は変わります。機構はシンプルな手巻き、自動巻き、クロノグラフ、複雑系モデルと値段が上がっていきます。また、アンティークなどの古いモデルの料金も高くなる傾向があります。
また、メーカーによっては研磨代も含まれています。
オーバーホールはおおよそ5年に1回が目安です。
代表的な時計ブランドのオーバーホール料金を見ていきましょう。
ロレックス
シンプル3針 45000円~
クロノグラフ 66000円~
高級腕時計の代表格と言えるロレックス。オーバーホール料金としては安い方だと思います。
しかし、上記は基本料金。パッキンなどの消耗品は別料金となるため、だいたいプラス1万円~2万円と考えていいでしょう。
また、ロレックスはオーバーホールの目安を10年としています。
オメガ
クロノグラフ以外クォーツ 51700円~
クロノグラフ以外機械式 63800円~
クロノグラフクォーツ 57200円~
クロノグラフ機械式 85800円~
中古品も人気のオメガ。理由は価格で、中古で購入すればかなりお安く済みます。しかし、オーバーホール料金は別です。
オメガに限らずスウォッチグループのモデルはかなり割高だと感じます。
タグホイヤー
クォーツ3針 27500円~
機械式3針 38500円~
高級腕時計の入門ともいえるタグホイヤーですが、オーバーホール費用は少し特殊で、エドワードクラブというオーナークラブに入会することで、料金が4割ほど安くなります。これは正規店での購入のみです。なので、中古品を購入した場合は、専門業者に任せた方がいいでしょう。
グランドセイコー
クォーツ 36000円~
メカニカル 47000円~
スプリングドライブ 52000円~
クロノグラフ 79000円~
グランドセイコーを購入する時に心配なのが、オーバーホールがいつまでできるかということです。セイコーでは販売終了後、部品を7年程度は保持していると言いますが、一生ものとなれば7年では短いと思います。グランドセイコーはそれ以上らしいですが、いつまでメーカーで面倒を見てくれるのかが心配です。
パネライ
シンプルなモデル 71500円~
複雑系、薄型モデル 89640円~
デカ厚なケースで有名なパネライ。シンプルな機構の多いブランドですが、正規店に出せばなかなかの金額がかかります。手巻きのモデルも多いため、部品の交換も多くなり、維持費はけっこうかかるブランドです。
カルティエ
クォーツ式 42390円~
機械式 56700円~
カルティエはレディースモデルに高級腕時計メーカーながらクォーツ式のものが多くあります。カルティエのオーバーホールは特殊で、ムーブメントをまるごと交換するコンプリートサービスとなります。中身は新品になるということですね。
修理専門業者での値段は?
修理専門業者でのオーバーホールは『賭け』みたいなところがあります。悪い業者にあたると傷をつけたり、不要な交換部品代を請求してくる悪質なケースもあるようです。
ただ、料金はかなり安くなり、おおよそ半額でオーバーホールができます。
そのため、業者を選ぶときは慎重になるべきです。おすすめの業者はWATCH CANPANYです。所属する時計技師は全員が自社の社員で、ブランド別に専門の担当者が決まっています。価格も安く、日本にはこれ以上の業者さんはないでしょう。
研磨作業について
腕時計は着けて過ごせば必ず傷が付きます。どんなに丁寧に扱っても同じです。
そのため、腕時計を綺麗に保つためにオーバーホールの際に研磨作業を頼むといいでしょう。ケースの素材などによっても値段は変わってきますが、おおよそ1万円~2万円というところです。
ベルトの交換について
パネライやカルティエ、IWCなどは標準で革ベルトを付けているモデルが多いです。革ベルトは消耗品なので、汚れがひどくなってきたりボロボロになれば交換が必要です。
正規品をメーカーに頼むという手ももちろんあります。パネライなら3万円から購入できます。ラバーベルトなら22000円からです。
ベルトはいくつか持っていれば様々なシーンに対応できますし、一つのモデルをいろんな形で楽しむことができるので、複数持つことをおすすめします。市販品であれば、数千円から楽しむことができるので、時計購入と同時にいくつかそろえておきましょう。
ヴィンテージの場合は?
昨今、人気の高いヴィンテージウォッチ。ロレックスなんかもかなりヴィンテージ物は高くなっています。
ヴィンテージウォッチは維持費も最新の腕時計に比べ、余計にかかります。パテック・フィリップなんかは100万円かかることもあるみたいですね。それよりも受け入れてくれるところがあるかも心配です。
ヴィンテージウォッチのオーバーホールや修理なら、オロロジャイオさんがおすすめです。
理由は、ちゃんと時計技師が在籍していて古いモデルの対応もやってくれるからです。
高級腕時計の維持費ってどのくらい?まとめ
オーバーホールが5年に1回につき6万円、ベルトの交換代が5年で4万円ほどとすると、年間にかかる維持費は2万円です。
一気に払うとなかなかの金額になるので、コツコツ貯めておきたいところです。1本でこの維持費がかかるので、多く持つとけっこうなお金を支払うことになります。
しかし、こう見てみるとそこまで高い金額ではありません。車に比べたらかなり安いです。高級な腕時計はリセールバリューも高く、ブランドによっては資産になるので、迷っている方は買ってみるのをおすすめします。