実用できるヴィンテージロレックス|1960年代~90年モデル解説

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高級腕時計

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近年人気が上昇しているヴィンテージロレックス。主に1960年代~90年代に製造されたロレックスウォッチを指します。
ROLEXのすごいところは、頑丈で製造から50年が経過したモデルでも、普段使いすることができるところです。
今更聞けない、ヴィンテージロレックスの各シリーズを紹介していきます。

ヴィンテージと現行品の違い


ロレックスの腕時計は基本的に何十年もデザインが変わりません。画像で見てわかる通り、左が初期のサブマリーナ、右が最新のサブマリーナです。左は1950年代、右が2020年現在のモデル。登場時から完成されたデザインが多いことがうかがえます。

デザインは変わりませんが、内部のムーブメントは年々アップデートされていますし、外装も細かな変更点がありますし、ミルガウスのようにガラッとデザインを変えたコレクションもあります。

ヴィンテージモデルのムーブメントの多くは振動数が18000~21600ですが、現行品は28800振動というハイビートです。一般的にハイビートの方が時計としての精度は良いです。

また、見た目に大きく変わるのが、風防です。文字盤を守るガラスの部分です。


ROLEXは実用的な防水時計を、100年近く前からうたっています。この防水性を確保するために、ヴィンテージなど古いものは現行品よりもかなり厚くなっています。また、素材もプラスチックだったために、現行品のクリスタルガラス風防に比べて、丸みを帯びた形のものが多いです。

このあたりもヴィンテージロレックスらしさと言えるでしょう。

また、ロレックスの腕時計は傷が付いたら研磨をして傷を落とすのですが、研磨を何度も受けた個体はケースのエッジ部分が丸くなっています。

ヴィンテージロレックスは全体に丸みを帯びているということですね

文字盤では、この年代のモデルは夜光塗料にトリチウムというものを使用しています。このトリチウムは10年ほどで発光しなくなるのですが、黄色く灼けてきます。これがヴィンテージ感を増長して、独特な雰囲気を出してくれます。

ブレスレットも現行品に比べて軽くなってます。最新のオイスターブレスレットは中央のリンクパーツが無垢パーツになっているので、堅牢性が高く、重みがあります。

ヴィンテージというか、2010年以前のものはリンクパーツが中空です。

ようは、現行オイスターブレスレットの方が、堅牢性も性能も上ということになります。

とはいえ、時計の性能、できることの多さとなれば、ロレックスの腕時計はアップルウォッチに何一つ勝てないわけなので、そこだけで良さというのははかれません。

永い時間を感じる雰囲気の良さは、決して最新のモデルでは出すことができませんし、歴史を感じられながら日常でも使っていけるものなんてあまりありません。

作りが元々頑丈なROLEXだからこそ味わえる良さが、ヴィンテージロレックスにはあります。

それでは現在でもデイリーユース可能な、ヴィンテージロレックスを紹介していきましょう。

エクスプローラー1 Ref.1016


まずはヴィンテージスポーツロレックスの入門機と言われ、現在でも絶大な人気を誇るオールド エクスプローラー1です。

1953年に初代エクスプローラーが登場してから、10年近くデザインがあいまいでしたが、このRef.1016で集約され、エクスプローラー1のデザインが確立されました。現行モデルとは3,6,9の数字のフォントが違い、雰囲気が全く違うところも魅力的だと思います。

1988年まで30年近く製造された、ロレックスウォッチの中でも屈指のロングセラーモデル。長い歴史の中で様々なマイナーチェンジがあり、希少なものはかなりの高額な価格で取引されています。


ケースサイズは36mm。現在では小ぶりなサイズ感になりますが、その存在感はなかなかのものです。

ロングセラーモデルのため、芸能人の愛用者もかなり多くいます。あまりの人気ぶりでここ数年で市場価格が上昇し、最も安いオールニューされた個体でも140万円ほどします。

搭載されているムーブメント、Cal.1570(または1560)はロレックスのムーブメントの中でも名機と呼ばれます。

エクスプローラー2 Ref.1655


洞窟探検家向けにエクスプローラー1の上位機種として、登場したエクスプローラー2。

このRef.1655がファーストモデルになります。見た目通り、かなり斬新なデザインです。

真っ暗な洞窟の中でも昼か夜かわかるようにGMT針が付いています。ちなみにベゼルは固定です。

あまりに斬新なデザインであったためか、1971年発売ですが、あまり人気はなかったといいます。時代がついていけなかったのか?

そのせいか、現在でも市場にあまり流通がなく、全体的に高額で取引されています。250万円は下りません。

エクスプローラー2は現行品と比べて大きくデザインが変わっているモデルの一つです。このデザインがよければRef.1655しかありません。

サブマリーナデイト Ref.1680


デイト表示付きサブマリーナのファーストモデルであるRef.1680。

防水性も高く、実用性が高いため、ヴィンテージロレックスの中でも人気の高い一本になります。


ペットネームが赤色で表記され、レアロレックスで有名な通称「赤サブ」はこのRef.1680の初期生産分にわずかにみられます。芸能人の愛用者も多い、こだわりのディテールを持ったサブマリーナです。


ヴィンテージのサブマリーナは、文字盤の灼けももちろんですが、ベゼルの退色も個体ごとに違い、独特の雰囲気を出してくれます。一つとして同じ個体がないのがヴィンテージ サブマリーナの魅力だと思います。

サブマリーナノンデイト Ref.5513


世界中のダイバーズウォッチの祖と言えるモデルが、ロレックスのサブマリーナノンデイトです。

このRef.5513は3世代目となり、製造期間は1963年~1989年と、エクスプローラー1Ref.1016とならび、非常に長い期間製造されたロングセラーモデルでもあります。


いわゆるノンクロノメーターで、文字盤にはクロノメーターの表記がないため、すっきりとした印象。クロノメーター版にRef.5512もあります。

文字盤は後期の製造品になってくると、インデックスドットにフチが付くようになります。フチあり文字盤は、現行のサブマリーナに雰囲気はだいぶ近寄ってきますね。ヴィンテージロレックスとしてはフチなしの方が人気で、価格も高い傾向にあります。

ミルガウス Ref.1019


磁場にさらされる技術者向けに開発されたミルガウス。このRef.1019は2代目のミルガウスになります。

初代のミルガウスは、回転ベゼルに稲妻の形状をした秒針とかなり攻めたデザインでしたが、2代目のこのRef.1019は、かなりおとなしめなデザインとなっています。1959年~1991年とかなりの長い期間製造されたモデルですが、その理由は人気のなさ。一般人にはなかなか受け入れられない機能性だったと言います。


内部のムーブメントに磁場から守る帯磁ケースが付けられており、そのためか当時では大き目の40mmのケースサイズとなっています。シンプルな3針の時計としては、当時で言えば少し大きめですかね。これも不人気であった理由だと思います。

2007年にこのミルガウスはデザインを大幅に変更して復活します。初代モデルと同じ稲妻の秒針も復活してかなり前衛的なデザインになりましたね。現代では一般人でも、パソコンやスマホなど磁場にさらされることが多いので、現行ミルガウスはなかなかの人気モデルとなりました。


白文字盤のバリエーションもあり、また違った雰囲気の一本となっています。


人気がなかった分、ロングセラーモデルでありながら、市場での流通は他のロレックスに比べて、ずいぶん少なくなっています。球数が少ない分現在では希少価値の高いモデルとなります。

なくなってくると欲しくなる。そんな典型的な例ですね。ケース径40mmは現在ではジャストサイズですし、デザインも現行ミルガウスと違ってさらに品があります。

コスモグラフ デイトナ Ref.6265


ヴィンテージのデイトナは数多くリファレンスが存在しますが、デイリーユースしやすいモデルとしてRef.6265をあげます。この時代のデイトナは自動巻きではなく手巻きのムーブメントが搭載されています。

コスモグラフ デイトナの初期のモデルはノンオイスター、つまり非防水の時計でしたが、このRef.6265は日常生活防水である5気圧まで耐えることができます。

ベゼルはステンレス製。プラスチックベゼルのモデルも確かにカッコいいんですが、素材がプラスチックであったため、いい状態の個体が少なく、今後も替えることができないため、気軽に日常使いすることはできません。そう考えると、コレクションして眺めるだけでないのなら、ステンレス製のベゼルのデイトナを選ぶべきだと思います。


個人的には白文字盤のモデルが好きです。このRef.6265にはエキゾチックダイヤルという、ポールニューマンダイヤルの個体も存在します。

デイトジャスト Ref.1601


第3世代のデイトジャスト。デイトジャストはロレックスの中でもよりクラシックなモデルです。このRef.1601は上品なフルーテッドベゼルを搭載しています。

現在のデイトジャストのフルーテッドベゼルは少し主張が強く、高級感はありますがギラギラした印象です。もう少し品があって控えめな時計をお求めなら、このヴィンテージのデイトジャストがいいと思います。

内部のムーブメントもエクスプローラー1に搭載されている名機Cal.1570が搭載されています。


近年のヴィンテージロレックスの値上がりは異常なほど早く、スポーツロレックスには100万円を切るモデルはありませんが、このデイトジャストはまだまだ安く買えます。

タイミング、個体の状態によっては40万円を切るものもあります。


このデイトジャスト、意外とNATOストラップが良く合います。NATOストラップを着けるとアクティブな印象に早変わりし、スポーティな印象になります。

現実的で、様々な場面で愛用できるヴィンテージロレックスだと思います。

エアキング Ref.5500


最後はロレックス入門機と言われ、長くビジネスマンに愛されてきたエアキングです。

現行のエアキングは40mmに大きくなり、本格的なパイロットウォッチとなったわけですが、エアキングは元々はドレスモデルの小ぶりな時計だったんですよ。

サイズは34mmと現在ではかなり小さいサイズ感になります。


試着してみるとわかりますが、非常に上品です。それでも、小さすぎるということはありません。古いロレックスの時計はある程度厚みがありますし、ベルトとケースの繋がりが美しいので、それほど小さいとは感じないのではないでしょうか?

小ぶりで大きく主張せず、時折シャツの裾から顔を出すくらいの品の良さ。

ビジネスマンがこぞって愛用した訳が分かります。


大人っぽい服装のかたなら、かなり重宝する腕時計だと思います。スーツにも抜群に合うと言えます。

価格もお手頃で、30万円台で購入できます。

おそらくデイリーユースできるロレックスウォッチの中で、現行品を含めて、今一番安く購入できるモデルだと思います。

魅惑のVintage Rolex

1960年代~90年代に発売された、デイリーユース可能なヴィンテージロレックスを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

ヴィンテージロレックスには経年劣化によって一つ一つの個体が違った表情を持っています。

これはいくら頑丈で、性能の高い現行ロレックスでもないものです。

私も数年前まではヴィンテージロレックスの良さがわかりませんでした。古いものが100万円?少しのディテールの違いで倍の値段になる!?本当に意味の分からない世界でした。

ヴィンテージロレックスにはまった人は、現行モデルをもたず、ヴィンテージばかりに行くと言います。

私は現行品のロレックスを普段愛用してますが、なんとなくわかる気がします。

理屈ではないんですが、好きになってしまうんですよね。そんな魅力がVintage Rolexにはあると思います。

機会があったら、ぜひ手に取ってよく見てみてください。なんとも言えない魅力を肌で、雰囲気で、感じると思います。