昭和の伝説的な俳優、故・松田優作さんの腕時計らしきものを紹介していきます。1989年に亡くなられてからすでに35年以上経ちますが、今でもその輝きは増すばかりです。
今回の記事は情報もかなり少なかったため、こんな感じの腕時計を松田優作さんは使ってたんだな、くらいで見てもらうと幸いです。
伝説の俳優、松田優作
山口県下関市の生まれで、地元が生んだ最大のスターである松田優作さん。ちなみに私も同郷の生まれです。
下関の高校を2年生の時に中退し、アメリカで弁護士になるためにアメリカの高校へ編入、そのときに高校の体育館で観たニューヨークのアングラ劇団「ラ・ママ」に感銘を受け、俳優を目指し帰国。東京の夜間高校に編入します。
もうここまででかなり普通の人とは違う、強い意志を持った人だったことがわかります。
地元が同じだからよくわかりますが、下関でこんな高校生いません。とりあえず私の年代にはこんな人はいなかったと思います。みんな普通に高校出て大学行くか働くか、中退して働くかくらいでした。
大学に入学後中退しますが、その後は俳優として成功してきます。「太陽に吠えろ」のジーパン刑事の殉職シーンは、刑事ドラマの最も有名な名シーンの一つですし、代表作となったドラマ「探偵物語」は定期的に再放送がされるくらいの人気ぶり。私立探偵の工藤俊作のキャラは唯一無二で、松田優作さんのイメージでもよく使われます。
1980年代はドラマに映画に主演で引っ張りだことなりますが、1989年11月に40歳にして早すぎる死を迎えます。ハリウッドデビュー直後の訃報は、当時かなりの衝撃でした。
松田優作の腕時計「野獣死すべし」
1980年に松田優作さんが主演した角川映画「野獣死すべし」。
いわゆるヒット映画ではありませんが、未だにカルト的な人気を誇るアクション映画です。ラストシーンも難解でいろんな解釈がされています。
記憶からなかなか離れないシーンがたくさんあります。気になる方はぜひ!
狂気に満ちた伊達邦彦を演じる松田優作さん。左腕には黒文字盤の腕時計が着いています。
この腕時計は「グラスヒュッテ国営時計会社の腕時計」で、今でいう「グラスヒュッテ・オリジナル」のモデルになります。グラスヒュッテ・オリジナルは1994年に現在の体制になっているので、当時ではまだ国営会社製ということになりますね。
グラスヒュッテ・オリジナル シックスティーズ
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現在のグラスヒュッテ・オリジナルで買える黒文字盤で3針モデルと言えば、このシックスティーが一番近いかなと思います。このモデルも60年代のヴィンテージウォッチをイメージしてデザインされているので、松田優作さんが着けていたモデルに近いものがあります。
実は文字盤カラーも豊富なコレクションで、選ぶ楽しさもあります。
グラスヒュッテ・オリジナル セネタ
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松田優作さんが「野獣死すべし」で着けていた腕時計に最もデザインが近いのがこのモデル。残念ながら黒文字盤はありませんが、伝統的なローマンインデックスでキチっとした印象を与えてくれる一本になっています。
松田優作の腕時計「探偵物語」
松田優作さんと言えばこのドラマ、「探偵物語」です。パーマの長髪にグラサンとハット。カラーシャツのスーツ姿でベスパに乗り、タバコに火を着けるライターはやたらと高く火が上がる。
探偵物語の私立探偵 工藤俊作は後世に永遠に残るであろう強烈なキャラクターでした。
憧れてベスパに乗ってた人や、格好を真似た人はかなり多かったと思います。
さて、この探偵物語で工藤俊作が着ける腕時計ですが、ベルトはチェーンっぽいブレスレットのようなデザイン、時計本体は四角形の白文字盤です。
第一話に登場した腕時計です。時計本体は少しボテッとしたスクエア型。ベルトはブレスレットみたいなデザインですね。
このシーンも第一話ですね。やはり白文字盤の腕時計です。この探偵物語というドラマは工藤俊作の小物類にかなりこだわりがあって、ベルトはカルティエのブレスレットを加工したものだったらしく、製品としてはどこにも売ってません。
探偵物語は27話まであったのですが、第1話から終わりまで時計はなかなかはっきり見えませんが、本体はちょこちょこ変わっているようです。「ALL CITY」という香港製の安い時計をしてるときもありました。
その正体は今も謎に包まれたまま・・・。
カルティエ タンク マスト ウォッチ
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カルティエのブレスレットを加工してベルトにしていたということで、白文字盤のカルティエ タンク マストウォッチは、工藤ちゃんの雰囲気を味わえる腕時計だと思います。
サイズはLMあたりが、工藤俊作の腕時計と同じくらいのサイズ感になると思います。
エルメス ナンタケット
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チェーン状のベルトがブレスレットのような腕時計、エルメスナンタケットです。見た目は探偵物語で松田優作さんが着けていた腕時計にそっくり。既製品の腕時計としては、工藤俊作のものに一番似ている腕時計だと思います。
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どうでしょうか?けっこう近いものがありますし、エルメスの腕時計なので永く使っていけそうですよね。購入する場合はサイズには注意しましょう。
松田優作の腕時計「私物」
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松田優作さんの遺作となってしまった「ブラックレイン」で共演した高倉健さんが贈ったとされる腕時計がこのロレックスのGMTマスターⅠです。
贈ったモデルは黒いGMTマスターだったようなので、年代的にはRef.16750あたりになるのでしょう。高倉健さんが中古品を贈るわけはないと思うので。
高倉健さんは、共演者や自身が認めた人物に腕時計を贈ることが多く、中井貴一さんが貰ったゼニスのクロノグラフを岡田准一さんに託された話は話題になりましたよね。
ただ、このロレックスを贈る時にはすでに松田優作さんの体調は悪く、着けることができたのかはわかりません。
ハリウッドデビューをして40歳というこれからの年齢。二つのタイムゾーンを見ることができる機能で、世界で活躍してほしいという願いがあったのかもしれません。
松田優作の腕時計まとめ
確証のない情報が多くなってしまいましたが、謎だからこそ深まっていくし、魅力は増していくものです。
話は変わりますが、2023年に松田優作さんの妻である松田美由紀さんが、探偵物語で実際に使われていたベスパを公開してファンを喜ばせました。ずっと家の地下室に眠っていたみたいです。
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家族の思い出の品は家族だけで共有できればそれでいいと思いますが、ファンとしては松田優作さんが使っていた腕時計も気になるところですね。
気になってるファンの方も多いと思います。見ることができるならぜひ見てみたいですし、松田優作さんが見ていた景色を少しでも感じることができたらなと思います。